「…珍しいですね」
「そうかな?」
「貴方の様な人がまだ低レベルなひよこチームの練習を観に来るなんて」
「ひよこチーム!言うねぇ」
「この間の戦いはともかく、練習にまで来るという事は…まさか気に入りました?『子烏丸』」
「うん、気に入らないと言えば嘘になるね」
「やっぱり」
「でも君も気に入ってるだろ?『ひよこチーム』」
「ええ、気に入らないと言えば嘘になります」
「やっぱり」
そう言って、互いに笑い合う。
「うわ、今すごい飛んだねあの子」
「皆パワーアップしてます」
「ふーん、こりゃうかうかしてられないなあ」
ふいに。
「これはさ、きっと」
「え?」
「君の努力のたまものだね」
「いえ…そんな事」
「あはは、謙遜しなくていいよ」
「確かに教え方上手いとは言われますけど…私なんかまだまだ」
「そんな事ないよ、君は素敵な才能を持ってる」
「えっ…」
顔を近づけ、にこりと笑う。
「褒めるとすぐ顔が赤くなる」
「だって…スピットファイアさんが言うから…間違いない事だって」
「そう、間違いは無い」
「でも私は本当に」
「自信持ちなよ」
「……すいません」
「何で謝るの」
ぐんぐんと二人の距離は縮まる。
少女の小さい体に青年の腕が絡まる。
「君は本当に可愛いね」
「! あっ…あの」
「何?」
「この間…一回だけだって…」
「言ったっけ?」
「………もう」
チームの面々に気付かれず重なる唇。
同時に重なる二つの影。
「…どう見てもカップルだよね」
「私達が?」
「うん」
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