たまにはのんびりお茶でもしましょう。
こぽこぽと湯飲みに注がれる緑茶。
僕の好きな、緑色。
「やっぱりホリィさんのお茶は美味しいです」
「やだ、美味しいのはお茶じゃなくてお菓子の方よ♡」
和やかな談笑が響く、静かな和室。
大きく開かれた障子の先には広い庭と青い空。
かこん、と和風な音が立つのは池の方だ。
僕の家も広さでは空条家に負けない位だが、ここまで完璧な和空間を保ってはいない。
僕の家はどちらかというと西洋寄りのデザインだった。
しかし僕は何故か――自宅よりこの家に居る方が落ち着く。
「やはりこういう時は…和菓子に限りますね。特にこの時間帯」
「そうよね!なのに承太郎ったら夜遅くたった一人で食べるのよ」
「それはまた、どうして」
「いつも誰かお客様が来る時、承太郎もいらっしゃいって誘うのよ。
でも……絶対来ないの。だから残った和菓子をとっておくんだけど」
「それを夜、一人でぼそぼそと食べるんですか」
「ええ。何で一緒に食べてくれないのかしら」
「この時間に皆で食べるのが美味しいのにな……それもホリィさんのお茶付きで」
雲が動き、隠れていた太陽が再び照り出した。
そして彼女はくすくす笑い始める。
ホリィさんは笑ったまま、おかわり持って来るわと席を立つ。
僕は静かな和室に一人きりで考える。
――承太郎は家族と一歩距離を置いている。
他人の家庭環境に何かを言う筋合いは無いのだが、承太郎は家族に無神経すぎる。
無愛想の上に無神経。今更思うが最悪だ。
ホリィさんが良く出来た女性だから成り立っているものの、この家族の未来はどうなることやら。
きっとホリィさんは承太郎の「内側」をよく知っているんだな。
そんな事を考えている僕自身、承太郎は本当は優しいって事くらいもう知っている。
だからもう――きっと大丈夫なのだろう、この家庭は。
「ホリィさん、大丈夫ですよ」
まだ帰らぬ優しい貴女へ向ける言葉は、ただの独り言なのだけれど。
「………照れ屋なだけです、きっと」
その頃、承太郎本人は玄関で二人分の靴を睨んでいた。
「……入るに入れん」
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花ホリっていうより花+ホリって感じで。
この二人は普通に仲良しなんですよ・・・!(マイ設定)
空条家好きーvv
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