「多重人格探偵サイコ」を祭ろう。


サイコ祭りログ。サイコの伊園美和中心の小説オンリー。
小話みたいな感じの美和受けが多いと思います。


↑お題はここからお借りしました。
『冒険にまつわる、20のお題』





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1 始まりの鐘が鳴り響く朝。

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目が覚めた。

――覚醒?私の中の何かが?何が目覚めた?
この眼球に刻まれた文字の所為?LUC−XX?


全てに飽きた。

――この生活に?馬鹿な女子高生演じるのに?
どうして?毎日テキトーに過ごす事が?つまらない?



目が覚めたのは朝だから。全てに飽きたのは突発的。
今日は、計画実行の日。
私の予想通りに事が進めば、きっと日常から抜け出せる筈。
朝一で動かしたMDウォークマンがシャカシャカと音をたてる。
好きな曲も今はやけに耳障りだった。

(……これじゃ、始まりの鐘の音とは言えないわね)

MDを止め、玄関へ向かう。
姉の間抜けな寝顔が目に入ったので話し掛けてみるが、
寝惚けている所為かその反応は薄い。



「…バイバイ」

大事な姉と、今までの日常に敬意を込めて呟いた。


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6巻。始まりの朝。

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2 でかい扉は こじ開けろ

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ハイジャックを思いついたのはそんなに昔の話じゃない。
私にとってそれは決して難しい事じゃないと分かっていたけど、
一つだけ、しかも最初から厄介な問題が見つかった。

(まずは…駒が必要ね)

私の言う事を何でも聞いてくれる、捨て駒が。
本当はそんな犬みたいな奴大嫌いだけど、この際そうは言っていられない。
この人気の無い夜の公園で色々考えてたら足音が聞こえた。
どうやらこっちへ、来る。

「……誰?」

30代くらいの男だった。
ガクソの連中じゃない。見知らぬ…ホームレス?
よれよれの服に「元」は格好良かったと思われる貧相な顔とだるそうな瞳。

「嬢ちゃん、高校生か…?」
「何よ、あんた」
「俺か?俺はヤク中の腐ったオヤジさ…」
「可哀相な人間ね」
「…こんなナリでも所帯持ちだ」
「そう。じゃあね」

ヤク中相手は御免と、冷ややかに去ろうとした。
が、変な男は私の制服を素早く掴む。

「おっと、待ちなよ」
「…死にたいの?」
「気が強い女は大好きだ…」
「あたし、女子高生よ」
「俺は桐生勇吾」

聞いてないわよ、と言おうとしたその瞬間。
素晴らしいアイディアが思い浮かび、私は咄嗟に笑顔を作る。
――見つけた。

「……伊園アリワン美和」
「んあ?」



「私の名前よ」


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桐生との出会いを勝手な妄想で補完
(絶対時期とか間違ってる)

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3 君は誰だ?

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――女に見下されるのは、嫌い?
――あら、私もよ
――男なんかに見下されるのは大嫌い

――これでも身長は高い方なんだから










不意に、我に返った。

今のは何だ。
脳内に響く、先程の俺に対しての、女の声。
これは。
俺の中の雨宮洋一にくっついていた、僅かな。

(この女の残留思念…?)

生きているのか死んでいるのか分からない。
つい先程まで俺に銃を突き付け、俺から銃を突き付けられていた女。
しっかりと目を瞑り倒れているが――やはり死んでいるのか?

次に、雨宮洋一の記憶らしき映像が見える。
その中身の大半が、死体、警察、死体、死体、女、死体、死体、死体。
思わず眉を顰めた時、映像がドロドロしたものからやけに明るいものへ変わった。

『ドロボー?』
『見下ろされるの嫌いなのよね!』
『…そうして。』

女の声。
雨宮視点で映る、今そこで転がってる女。
――まさか。


『あ、雨宮君おかえり』
『お姉ちゃんは?』

『爪をチェックするの?別にいいけど』
『面白そうね』

『まだ怒ってんのー?』
『いいじゃん、髪くらい』
『それもカッコいいってー』

『雨宮君』














しばらく呆然としていた。
そして女をゆっくりと見下ろしてみた。
全く動く気配がない。



「泣いてんのか…俺は」


この女は雨宮の記憶の奥底でも眠っている。


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雨宮を弖虎に渡す美和の話がスゲー好きです。
弖虎が微妙にサスケ似だからサスゆやとか妄想してたなあ

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4 ちょっとだけなら

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「よお、美和」
「…何しに来たの?」
「いよいよ明日だな、ってよ」
「それだけ?……もう」

「ずっと前から計画してたもんなぁ…楽しみだなぁ…」
「まあね」
「俺も今まで危険な道辿ってるけどよ、ハイジャックなんて初めてだぜ…?」
「でしょうね」

「美和ぁ、俺達はずっと一緒だぜ…」
「何よ…いきなり」
「俺だってもう後戻りは出来ねーからなぁ」
「家族殺しただけでしょ」

「…渡久地がなぁ」
「え?」
「渡久地が死んだらしいなあ」
「ええ、渡久地さんもね。案外やる事小さかったけど。
ひょっとしてあんた…まだ引きずってんの?」
「別にぃ…?」
「ならいいでしょ。何ポーッとしてんのよ?」
「んん……」
「あたしは忙しいの。行くからね」

「………美和ぁ」
「…何」



「ずっと一緒だよな…俺達」


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桐生は忠実です。

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5 全部消えてしまえ

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私はお姉ちゃんが好きです。
だらしなくて優しくて微妙に厳しいお姉ちゃんが大好きです。
でも、
大好きなお姉ちゃんは家に突然現れた雨宮洋一という男が好きなのです。
いえ、信頼しているだけかもしれません。
いえ、愛しているのかもしれません。

私はまだ子供です。
ちょっとばかり特別な家族構成の中生まれ、
ちょっとばかり特別な役割を与えられ、
ちょっとばかり特別な力を持っていますが、
私はまだまだ子供なのです。

雨宮君は好きです。
でも仕事だからと言って子供の私からお姉ちゃんをとるのは多少ムカつきます。
(ちなみに好きっていうのはラヴじゃありません。ライクです。)
私は確かに子供ですが、犬のように慕ってくれる恋人がいます。
とても危険な所へだって行けます。人を利用する事だってできます。
もう子供ではないと思うのですが、回りの大人達があまりに大きいので
私も自分がまだ子供だと自分に言い聞かせています。
何だか複雑です。

最近、死体をよく見ます。
それはきっとお姉ちゃんと雨宮君(と笹山さん)がそんな事件を自分達が知らないうちに
ひきつけているからだと思っています。
死体は見ても何とも思いませんが、自分の計画を邪魔されるのは嫌だなあ。
最近、全てが面倒になっています。
今度一発大きいことをやるのですが、上手くいくか心配です。
楽しみだったり、憂鬱だったりと色んな感情が渦巻いてもやもやしています。

いっそ計画実行の前に何もかも、全てが消えてしまったらいいのに。
私という存在を誰かが消してくれたらいいのにとたまに思いますが、
よく考えてみれば今更引き返せないなあとかも思っています。


まあ、結局は、運命には逆らえないという訳で。

グタグタ書いたけど、私はやっぱりお姉ちゃんと雨宮君が好きです。
ずっと3人がよかったな。
ごめんね。



×月×日  みわ。


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何故か作文風一人語り。磨知←美和書きたかった・・

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6 黒い心と 白い羽根

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君は綺麗だ、とか
君と一緒になりたい、とか

もっとキレイな言葉で言えばいいのに。




あいつったら


「おい、スーパー女子高生。ヤらせろ」

だなんて


「は!?馬鹿じゃないの」


ムカついたからそう言ったの










本当、腹立つ大人ね。


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西園美和好きvv

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7 月が綺麗な夜

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「あれ?磨知は?」
「なんか遅くなるってさ」

――つまり、二人っきりって事だろ…!

「雨宮君、ごはん食べる?」
「手伝うよ」
「いいよ、いつも一人でやってるから」

――なかなか涙ぐましい生活送ってるなあ…

「おいしかったー!」
「ご馳走様。意外と上手いな、料理」
「ちょっとぉ、『意外と』って何よー」

――よかった。





まだまだ子供で。


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雨宮と美和っていいなあと。そりゃこの頃からハイジャックの時みたいに
大人っぽかったら大変な事になりますよ・・!(色々と)

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8 逃げるが勝ち

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さっきからずっと走り続けている所為か、
自分の疲れた心臓と呼吸の音が地下いっぱいに響き渡る。

「はっ はっ… はぁッ」

不意に、何かにつまづいて冷たいコンクリートの地面に倒れ込む。
ひんやりと固い感触の次に襲ってきたのは軽い眩暈。
これは休む間も無く走り続けていた所為だ。
その時、コツコツと革靴が地面に打ち付けられる音が聞こえた。
認めたくないがどうやら追いつかれたようだ。

「可愛い可愛いXXちゃん、出ておいで。
ママも待っているんだよ?楽しい所へ行こうじゃないか、XX。
…ああ……伊園美和、だっけ?」

男の声がする。笑っている。
地下だから声は大きく響き、私は余計に恐怖を感じる。
車の影に隠れる私はひたすら見つからない事を祈るだけ。

――XX?何?
あの見た事もない男は確か銃を持っていた。
若い、銀のかかった白髪の、目付きが鋭い男…

――見た事ある?どうして?
私は日本とシンガポールの二重国籍を持っている。
私は伊園アリワン美和。見た目は日本人。中身も日本人。
私の母さんは「ガイジン」、お父さんは日本人。
私には伊園磨知という姉がいる。

――今までの人生をまとめてみても何もわからない。
私は誰なんだろう。
どうしてあの男に懐かしさを感じるんだろう。
怖い。





「見ィつけた」
「! あっ……」

車の影にうずくまる私を見下ろす男がいた。
心臓がひっくり返った様にばくばくと音を上げる。
男は口元を吊り上げながら私に銃を突き付ける。
私の恐怖は絶頂に達した。

(こんなっ…デパートの地下で…しかも駐車場なんかで!)

――そして訳の分からないうちに、知らない男に。
怖くて怖くてたまらなくて、気付いたら私は男に掴みかかっていた。

「…死ぬのは嫌なのよ!」

男はおっと、と言いながらよろめく。
そして私は銃を奪おうとした。何故だか分からない。
目の奥が熱い。
私は無我夢中で男に銃を突き付ける。
勿論撃ち方なんて分からない。


「…あ………すごいね、流石」
「動かないでっ」
「あ、ちょっと待った…XX。君に殺意は」
「喋るな!」

男は溜息を吐くと、こう言った。



「合格だよ」


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もしもというかパラレル!自分がXXだって知らなかった美和と
やけにフレンドリーな敬語じゃない全一の出会い(ややこしい)
原作にもなかったので、美和がいつ自分の事知ったのか知りたいです。
ひょっとしたらずっと知らなかったのかも、なんつって。

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9 素敵な冒険

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「ロリータ℃って言うの、あたし」

「……ロリータシー??」

「うん。ロリータ℃」

「どういう意味だい」

「簡単に言えばエイエンのショウジョって事よ」

「ふーん?」

「つまりあたしはね、歳をとらないの」

「はは、そいつぁ羨ましい」

「羨ましい?どこが?あたしは人の人生を狂わす女だよ?」

「女じゃないだろ?「まだ」少女だ」

「まだ?……ふふ」

「なあ、ロリータ℃」

「なあに?」

「素敵な冒険をしないかい」


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適当な上スゲー謎。ロリータ℃を出したかっただけ?
ちなみに男は大江公彦じゃないです。

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10 危険な判断

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私の中の雨宮君をあんたに渡すわ、みたいな事言ってたっけな。



本当、馬鹿な女だ。(いやむしろ賢い選択なのだが)
自分がああなるって事分かってたクセに。
病室へ、風が通る白いベッドへ歩み寄る俺
親族も知り合いも、誰一人訪れない病室で眠る女。
ガクソの切り札「XX」の末路ってとこか。哀れなモンだ

確かこの女の方が身長は高かった。
初めて見下す、この優越感。
この女が今、意識があったなら最高に良い気分なのだが。
きっと歯を食いしばって悔しがるだろう


――私があんたの中で生き続けるっていう選択もあったけど――


いっそ、俺の中で生きていてくれれば良かった。
ガクソ絡みのリスクは大きいが、雨宮同様護りぬく自信はあった。

しかし女は目を覚まさない。
生きているが、死んでいる。
このまま一生目を覚まさないのだろうか。




俺は病院を後にした。
勿論痕跡は一切残さない。


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弖虎はスペア狩りしてく時でも、心の片隅にでもいいから
美和の事心配してて欲しい。

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11 僕らの力を ためすとき

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「あれ、菊地さんじゃん」
「……いい加減覚えてくれよ。渡久地だって、トグチ」

「どしたの?こんな所で」
「美和ちゃんこそ。何で都庁なんかに?」
「は?都庁?ここは家の近所だけど……?」
「やだねーボケちゃって。ははは」
「…………(いや、本当に家の近所なんだけど…大丈夫かコイツ)」

「で?何してるの?」
「招待状。渡したろ?俺様のアート…」
「だから!何してるのかって聞いてんの」
「…何って……そうだな、美和ちゃんには特別に教えよう。
今からなんと!都庁ジャックするんだよ!ははっ」

「…………」
「どうだ!ビビったか!今こそ俺がこの場の支配者になるんだぜ!」
「大丈夫?」
「…悪いが本気だぜ。止めるなよ美和ちゃ……」

「あなた、既に一ヶ月前…都庁ジャック起こしたじゃない」
「  え?」


「忘れたの?いや…忘れるわけないわね。
覚えてないだけでしょう」
「………待てよ、俺が一ヶ月前、何だって?」
「可哀相に」
「な、んだよ、その目…」



「あなたはもう死んでるのよ」


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渡久地美和!一度書いてみたかった

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12 枯れた地面を 踏みしめろ

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「俺は死んでたのか」
「気付くの遅いわよ」

「もっと早く教えてくれよ」
「…なんで笑ってるの?」
「いや、なんか悔しくてよ」
「変な人。桐生と似てるわね」
「桐生?」
「そ、桐生勇吾。私の犬みたいなモンかな」
「…………マジかよ」
「え?」
「いや…」

「美和ちゃん、俺はどうするべきかな」
「まずどうして私の家の近所に現れたのかを考えてみれば?
そんで今までの人生を振り返って笑顔で消える、とか」
「そんなドラマみたいな事できねーよ…」


「そう言わず頑張ってみてよ。「次」は私が引き継ぐから」


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11の続き。

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13 生かす勇気

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「麻生昇、か」





お姉ちゃんにとって不快な存在。
殺したっていい。

でも私のこの際個人的な考えなんて後回し。
――利用しない手はない。





「…有り難く思ってよね」


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麻生って元々ストーカーだったんですかね?

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14 心の勲章

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「今日はあなたの誕生日なんですよ、XX」


「何かプレゼントでも…と思いましてね」


「え?いらないんですか?」


「勿体無いなァ……バーコード付きの目玉は一応貴重なんですよ」


「まぁ何はともかくおめでとう御座います」


「全く、何泣いてんですか」





「感涙しないで下さ……え、逆?不満なんですか?」


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全一美和は面白そうだけど書きにくい・・(位置とか)

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15 振り返った時 そばにいて

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永い眠りについていた。

その眠りの中で「私」が死んだのなら「あたし」は生き残ったのだろう。
深い深い眠りはあたしを深い深い記憶の奥底へ連れて行った。
よく分からないけど素敵な思いと怖い思いを味わった気がするし、さっきからやけに頭が痛む。
あたしの本当の名前は何だっけ。

「お姉ちゃん?」
「違うわ」
「お姉ちゃんでしょう」
「残念ながら違うの」

お魚にでも食べられちゃったのかしら、脳味噌の一部を。
これじゃあまるで――

(まるで、雨宮君だわ)


「じゃああなたは誰なの。あたしにはお姉ちゃんにしか見えない」
「私は伊園若女」
「…あなたは伊園磨知よ」
「ごめんなさい、私は本当にあなたのお姉さんじゃないの」

あたしは膨大な夢の海を上手く泳げているかしら
記憶が漂う「あの」海を上手く泳げていたかしら
彼女の一言で海が恋しくなってしまったあたし。
いっそもう一度あの海に戻ろうか?

「伊園磨知は消えてしまったの」
「そうよ」
「雨宮君は」
「雨宮…一彦」

彼女はただ安心してと一言だけ言ったわ。
彼は必ず助かると解釈してもいいのかしら。
考えてみれば自業自得なのよね、あたしが眠りについたのも皆が死んでしまったのも
あたしはもうお姉ちゃんの体に入った「新参者」に怯える事しかできないの


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もしもシリーズ!『美和が10巻辺りで目覚めたら』

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16 求めるものは そこにある

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「世の中の人間って皆さあ、やる事ちゃっちいのよね、大口叩いておきながら」
「コラ美和っち!ちゃっちいとか言わないの!もー」
「あー無理無理。最近コレ口癖みたいになってるからねー」
「ちょっとあんた達、うっさい」
「あはは怒ったぁー?美和っち最近カタいよー」
「あたしはちょっと現実的に考えるようになっただけだって」
「キャハハ何それぇー」
「どォしちゃったのちょっとぉー」



(完っ璧、ナメられてるわぁあたし…)


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美和は学校の友達の間じゃボケで通ってそう。
実は皆の方がボケで美和がツッコミなんだけど(笑)

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17 その少年は 立ち上がる

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「少年の心を忘れない?つーの?ハハ、いい大人だろ」
「ある意味忘れまくってるけどね」

相変わらず冷静なツッコミがキレてるぜスーパー女子高生。
あのでけーボックスまるまる1個分アイス買占めなんて
俺様みたいにグレートな脳味噌じゃないと思いつかねぇだろ。
にしてもどうして雨宮達と話す時みたいに素直じゃないのかねー。
俺の前でももうちょっとガキっぽくなってくれって話。

「ま、別に今のままでもいいけどよ」
「何ニヤけてんの…」

さあ一緒にドロドロになっちまったアイスを食おうぜベイビー。


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少年といったら弖虎なんだけど、あえて西園で・・

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18 新しい光

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光が見えた。
…気がする。


ああこれが走馬灯かとか、ひょっとしたら美和は生きてっかなとか
一瞬のうちに全てを悟ったような、全てに疑問を持ったような

とてつもない爆音が聞こえた

体が熱い海に落ちるとてつもなく怖ぇ








まあ要するに、
俺は死ぬのさ


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桐生は最期、美和の事だけ思ってて欲しいなー

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19 楽園

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「ここは楽園みたいだねー」
「え?」
「だってシンガポールいた時より楽しいもん」





「あたしねー、雨宮君の事が好き」
「ぶッ…!」
「何噴き出してんの。あーあーむせちゃって大丈夫ー?」
「ごほっ……コラ!大人をからかうな!」
「あはは、そんでねー」

「勿論お姉ちゃんも好き。笹山さんも面白いから微妙に好き。
あ、渡久地とかいう人も好きだし」
「ハイハイ…」
「ちょっと!聞いてよぉ」
「何が言いたいんだお前…」



「あたしね、みんな大好き。
できるならずーっとここにいたいです。ずっと」


冗談言ったつもりはないし偽ってもないんだけど、


「………なんてね?」
「ははっ、どうしたんだよお前…」


あなたはあたしの言葉を優しく笑い飛ばすの。


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雨宮美和すごい好きなんだけど・・あああ・・・

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20 旅立ちの日

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「機嫌が悪い時の雨宮君は嫌い」


そう言いテーブルのパスタへ視線を落とした女の表情は暗い。
最初は最近つまんないのという些細な愚痴だったがこの状況じゃあお世辞も言えねぇ。
これ美味いぜとか言おうとしたら急に話題が変わるんだもんなぁ

「イソノミワ、つったか?雨宮の話はやめてくれ」
「あ、悪い……わね。食事中にこんな」
「やけに素直じゃねぇか」
「うるさい」

ひょっとしたら今コイツが一番機嫌悪いんじゃねぇかとか思った
まぁいきなり戻って来て飯ご馳走になってるから当然なんだが。

「ご馳走さん」
「また行っちゃうの?」
「行って欲しくないのか?」
「…何笑ってんの」

ただニヤけている俺と、今まで何処にいたかとか全く問わない女。
なかなか面白い組み合わせじゃねぇの、俺ら。
頭ん中で他の奴らがゴチャゴチャ言ってるが完全無視だ
俺は女にもたれながら目を瞑る。

「!」
「甘えさせろ」
「な、何よ…」

そら、吃驚するだろーねー。
にしても久々の女はなんて柔らかく感じるんだろう
………とかって変態みたいか?

「疲れてんだよ。何なら女に人格変えるか?」
「女同士ならいいってもんじゃないわ…」
「雨宮の体なら誰だっていいだろォが」
「殺すわよ」
「…ジョークだろ」

ふと、女が思い出すように言った。

「パスタ」
「あ?」
「パスタ、まだ食べたいんだけど」
「食ったろ」
「あんただけね」

それだけ言い終えて、ずっと押し黙る
俺は別に罪悪感とかは全く感じなかったため、そのまま女に抱きつく
抱きつく、つぅか抱き締めるといった感じか。
不思議と女は無抵抗だった

「何だよ、抵抗しねぇの?」
「もうあきらめた」
「やっぱ雨宮思い出してんじゃねぇか」
「違う」
「面白ぇ女だな」

もう少し、もう少しだ。
(俺が)
(あたしが)




(また戦いに身を投じるのは)
(あれを実行するのは)


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毎度おなじみ☆もしもシリーズ!
『ハイジャックの前に西園が美和と会っていたら』
食事してるがな・・!

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サイコ小説は最初で最後かもしれない(笑)
2005 7.12


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