旦那の背中は大きい。
あたしはそんな立派な背中が何となく好きだった。










カー君がヨガンとかいう溶岩のオバケを見事倒した。
それを見届けて、あたし達はコレカラスターの中心部に集まる。

「やった!やるじゃんカー君!」
「すごい、カービィ!」

あたしとリボンちゃんが褒め称えると、カー君は頭をかき照れ笑いを浮かべた。
ワドルディも飛び跳ねて喜んでたけど、デデの旦那だけは「やるじゃねえか」と一言だけ呟き後ろを向いた。
そんな時、リボンちゃんがクリスタルをじっと見つめた。
それが引き金になったのか、あたし達もクリスタルを見つめる。
――光った。
そうか、次の星へ移動するのかと理解したその瞬間、
突然コレカラスター全体の山が次々と炎を吹いた。
噴火が始まったんだと気付いた時には、あたし達はもう走っていた。

「わっ、わわ!リボンちゃん!」
「大丈夫!クリスタルの中に非難して!」

そう言ってクリスタルの中のワープポイントに飛び込むリボンちゃん。
あたし達も必死に移動するクリスタルを追いかける。










噴火した山から吹き出るマグマや岩も容赦なく追ってくる。
これでクリスタルに置いて行かれたら確実に死んでしまうだろう。
カー君とデデの旦那がクリスタルに追いつきワープポイントへ非難したのが見える。
残るは…ワドルディとあたしだけ。

「はぁ、はぁっ…!」

全然クリスタルには追いつけない。
振り向けば地獄のような赤い世界。
もしかしたら、いや、まさか……と、嫌な考えが頭を過ぎる。
体力は限界、クリスタルは今にも飛び立ってしまいそう。
――あたしを残して。

「いやっ…ま、待ってっ…!?」

泣きそうになったその瞬間、デデの旦那がワープポイントから頭をひょっこりと出した。
手を伸ばしている。あたしに向かって。

「旦那っ、だんなっ……!」

あたしは迷わず、無我夢中でその手を掴んだ。
あたしがクリスタルに吸い込まれる。
ワドルディもカー君に吸い込まれる。
「荒技」を使って何とか全員が非難したのを、あたしは旦那の腕の中で実感した。
――ヤバい、泣きそう。
旦那のふわふわもこもこした服に顔を突っ込んだまま、あたしは次の星へ降り立った。










「……あの、旦那?」
「行って来る。あのピンク野郎は手助けが無いと進めんだろう」
「そう、ですか。じゃああたしも行こうかな…ここ寒いけど」

別に言いづらいって訳じゃないけど。

「どうした」
「えっと…さっきは本当に有難う御座いました」

お礼はキッチリ言っておかないと、
なんか、その………嫌。

「何で」
「え!?いや、何でってそりゃ命の…」










「フン、仲間だろうが」


そう笑いかけ、旦那は行ってしまった。
背中はやっぱり、大きかった。










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今度は64設定ですよ。64の大王マジ好き・・・!
マイ設定だと64のデデデ大王はやや江戸っ子(喋り方とか根性が)
コレカラスター脱出の例のシーンから勝手に妄想。


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