吃驚したどころじゃない。
此れは、全てにおいて迂闊だった僕の責任だ。
「ハレノさん!?どうして此処に……」
――全てが急すぎて、本当に間に合わないかと思った。
器人が猛スピードでハレノさんに突っ込んで来る。
ハレノさんが、危ない。
時間が無いからといって、何も知らせずに立ち去るんじゃなかった。
後悔の嵐。
全力疾走、必死でハレノさんの元へ駆け抜ける。
頭が真っ白になるのを感じながら、僕はついに足を地から離した。
( まにあえ)
ハレノさんを無我夢中で抱き寄せる。
――このひとに怪我なんてアッチャナラナイ!
このひとだけ、は。
僕のマントがズザッという音を立て、地面に擦れた。
時間が無いのを察し、僕はハレノさんを抱いたまま器人の「腹」の部分を潜る。
その間、破壊的な動作を繰り返す奴の車輪を腹の下から見つめ、
「間に合ったんだ」という安心と「もしも轢かれていたら」という恐怖が僕の心を揺さぶる。
器人の攻撃を奇妙な方法で掻い潜り、なんとか体制を持ち直す。
(ハレノさん……)
どうやらハレノさんは大丈夫な様だ。
幸いな事に、傷一つ見当たらない。
しかし上目使いのその顔には不安気な表情が宿っていた。
――ごめんなさい。
貴女だけは巻き込みたくなかったのに。
ちゃんと、全てを話しておけばよかったのに。
僕は、マントの中に納まったハレノさんの肩に置く腕にほんの少し力を込めた。
振り向いた器人が不快な音を立てながら「その言葉」を喋った時、
僕は既にそいつに向かって殺気を剥き出しにしていた。
「おまえの…… 物なんかじゃ ないッ!!」
――ハレノさんへの尊敬と愛情が汚されたような気がした。
僕はそう叫んだ後、器人に向かって真っ直ぐと立ち向かっていった。
もう、何も考えなくていい。
悲しいけれど悔しいけれど、僕だって器人なのだ。
こうなった以上は本能のまま目の前のこいつを潰すのみ。
僕を拾ってくれたハレノさん。
物を直すのが上手なハレノさん。
とてもやさしいハレノさん。
貴女のお陰で今やっと、僕はこの場で心を持って考えて選んで戦って生きているんだ。
―――――――――――――――
雷灯→ハレノは身長差といい言葉使いといい萌え要素満載なのですが・・
なんていうか作品自体がイマイチぱっとしないという(汗)
ううー、設定とかは好きなんだけどなー。
ハレノさんの制服と電灯くんの学ラン学帽+下駄にやられちまったぜ!
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