『
玄野君のこと……
』
『
好き……
』
――ああ、レイカ、お前。
やっぱりアイツが好きなんじゃねえか。
全員の涙が乾いた頃、全員の言葉が尽きた頃。
先ず、レイカが一番に口を開いた。
「もう玄野君家には集まれないし…」
皆を呼び止め、真っ直ぐ前を見据えながらも、少しか細い声で提案をする。
その場の全員が一瞬彼女を見つめた。
「誰かリーダーを決めないと……」
俺もレイカを凝視した。
彼女の表情は、すっかり落ち着いていた。
それからは普段通りだった。
いつもの様にスーツを脱ぎ、いつもの様に『ガンツ部屋』からぞろぞろと退室する。
各自そろって私服に着替えた後、それぞれの家へ帰るのだ。
夜風が冷たい今日この頃、ニット帽やマフラーなんかを着用している奴らがほとんどだった。
そんな奴らが少し哀しそうな目で、少し悲しい心を隠すかの様にそそくさと退散して行く。
――玄野がもう居ないから。
俺もとっとと家に帰りたかったが、メンバー全員が散った後、少し歩いたところでまた踵を返した。
俺は、自分でも訳が解らないまま、レイカの後を追った。
カツン、カツ、カツ、カツ。
アイドルのすらっとした真っ白い足は小奇麗なブーツに包まれ、夜道に不思議と微笑ましい音色を奏でていく。
そうだ、レイカは人気アイドルなのだ。
未だに信じられない事だが、やはり其処には、ガンツスーツを脱いだ私服のレイカが居た。
今回のミッションで、俺よりも遥かに活躍したであろうレイカ。
任務中の彼女の迅速で素早い動きと、ガンツのあの採点を思い出す。
『102てん』。
それは、信じられない事に100点を到達する程の働きだったのだ。
只のアイドルだった筈の彼女を、そこまで変えたのは勿論…
俺は何だかまた腹が立ってきたので、考えるのを止めた。
コツ、コツ、コツ。
長い黒髪が、セーターに掛かったマフラーの上を左右に動いている。
真っ暗な夜道にブーツの音を響かせ、レイカが今、俺の手前を歩いている。
手前、と言ってももう何十メートルも先を歩いていて、恐らく俺には全く気付いていない。
(ああ、ちくしょうッ、まるでストーカーだ)
――何だか、変なのだ。
今日の採点から、いや、偽レイカとの性交(星人だったのだが)からか…
どうにも彼女の事ばかり気にかかってしまう。
理解出来ないのを通り越して、もはや心配なのだ。
何故レイカは、小島ナントカとかいう奴を自らの自由と引き換えに生き返らせてしまったのか?
(
何故レイカは、玄野なんかを愛しているんだろうか
)
―――もうヤメだ。
そうこう考えている途中、俺の足は、自然と回れ右していた。
どうにか道を引き返せた。
下らない尾行もどきは、こうして意外にもアッサリと終わる事が出来た。
そもそも追いかけてどうするつもりだったのか。
聞くのか?
問い詰めて、心配して、オイシイ所が持って行ければいいと思ってる?
(……くっだらねえ)
――レイカの命をどう使おうと、レイカの勝手じゃないのか。
大体、先程のミッションでもたったの10点しか得られなかった俺が。
肝心な時にいつも役に立たず、あの鬼に握り潰されそうになったレイカを助ける事も出来なかったこの俺が。
(今更、顔合わせられるかッつーの)
ああ。
それでもレイカは、俺の事を助けてくれたッけな。
完璧真逆じゃねーか。
…カッコ悪ィ。
どうして、彼女はあんなに強くいられるのだろう。
ミッションでもそうだったし、あの採点時も心が張り裂けそうだった筈なのに。
お前は、いじらしすぎるんだよ。
レイカ。
いつかアイツらに認めて貰えるだろうか?
いつか彼女にこう言って貰える日が来るだろうか?
『
出せたね、勇気
』
そう言う彼女は目を優しく細め、ニコリと微笑んでいる。
そんな、妄想。
俺は自分の帰宅路に向かって歩きつつ、密かに、だが大きく舌打ちした。
ブーツの音は、もうとっくに聞こえない。
―――――――――――――――
すいませんちょっと稲葉に夢見過ぎました・・・!
あのレイカの告白は絶対皆に聞こえてたと思うんだけどなー。
玄野←レイカ←稲葉の三者は、初期の加岸玄を連想させます・・・
ぶっちゃけあの三人はあんまり好きじゃなかったのですが、玄レイ稲に限っては何故かOK。むしろどんとこい!
ゆくゆくは稲葉も玄野君みたいに凄まじい成長を遂げて欲しいなー・・なんて・・!
彼にはもっと愛が必要だ!目指せ!死ぬまでに脱チキン!!(・・・)
17巻のセックスシーン(嘘)には当然ハァハァしましたが、実はその直前の「トンッ」に萌えたり。
何 だ あ の 身 長 差 ・ ・ !
「抱いて…」のレイカタソのコマは永久保存したい勢い。
体格差って偉大ですよね・・・ハアハア・・
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