「丈…?」



その震える声があまりにもか細くて。






「…丈……」


丸い瞳からポロポロと涙が零れ出した。
依然その大きな瞳は男を見つめたままで、少女は瞬きもせず自分より遥か上の男を健気に見上げ続けた。

桃色の長い髪が、さらりと揺れる。

とうとう男は跪く様に脚を折り、少女の下へ屈んでみせた。
ようやく真正面から二人の目線がぶつかる。



「丈、泣かないで…」



不意に、少女の白い腕が男の頭部に回された。
小さな小さな白い手が男の顔、首、そして黒髪を包む。



「…沙那……?」



必死に、しがみついているのだ。


頭部に抱き付かれた男はそのまま、不意に、少女の肩へ両腕を伸ばした。
そのまま身体を寄せ合い、こちらからもしがみつく様に少女を抱き締める。

――何て、小さな身体だろう。

男は思った。
守らなければ。
この少女だけはどんな傷を負おうとも、守らなければと。








「泣いているのは、沙那の方だよ」



























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「イノセントヴィーナス」より丈×沙那。これどんなシチュエーション!
最初は仁沙那にモエモエしてたんですが、中盤のあのドンデン返しは凄かったですねー。
後期の仁が夜神月(デスノ)かジュデッカ(WA2)にしか見えないです・・・!
終盤あたりの丈沙那は、2人が一緒のシーンひとつひとつに愛を感じます。
僅か1クールのアニメでしたが、キャラとか設定とかいちいちオイシかったです・・!ごちそうさまでした!


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